木地にうるしを擦り込み、その後、余分なうるしを拭き取る。
そして、またうるしを擦り込み、拭き取って、と何度も繰り返していくと、やがて、落ち着いた光沢が生まれてくる。
この「拭きうるし」を丁寧に鉋をかけた材に施すと木目が生かされたやさしい仕上がりになります。
木から生まれた漆で木の塗装をする。
漆はうるしの木から採取する自然の塗料で、接着剤としても古来より使われてきました。 その漆液は美しい塗膜を持つと共に、強力な接着性を持っています。
漆は適度な湿度がないと固まらず、空気中から水分を多く取り入れて、ウルシオールを酸化させることによって漆は固まります。漆が固まる最適条件は湿度75〜85%、温度は25℃前後といわれており我楽堂の工房でも床にむしろを敷き湿度を適切に保ち乾燥させています。
顔料を混ぜ豊富な色を創り出すことができるのでインテリアにあわせて、壁やテーブルの天板にお気に入りの色を塗ることができ、和洋どんなものと組み合わせても目に優しい癒しの空間が出来ます。
「似て異なる物」
図面どおり、それはおそらく木取りの時ぐらい、そして仕上がりは全て似て異なる物。それこそが手作り。それこそが手づくり。
世間ではこれを職人技といい決していい加減とは言わない。
まさに職人の手加減なのだ。
「木は動きます」どんなに長い間、自然乾燥させても制作前に強制乾燥して水分を抜いても動きます。
かって割れ止めに使った直径8ミリのボルトが何本もその動きを止められずに切れたという話を聞いたことがあります。
木の動きとケンカをしても駄目なのです。動きを止めるのではなくて「どうぞ動いてください」と”木”のむくままにほっとけばいいのです。
無垢の家具を使うにはそんなおおらかな気持ちが必要です。ヒビが入ったり反ったりした時、まかり間違っても欠陥とは言わないでください。
心静かにご一報ください、すみやかに手直しにお伺いしますから...